我輩はうどん屋に入り、メニューを熱心に眺めていると…
我輩は驚愕した。
並盛り詐欺
うどんの量が増えたごときで150円も上乗せされることがどうしても理解できなかったのだ。
少ない量を並盛りと定義して、それ以上多い量を望む者に対し、追加料金という名の暴利を貪ることがあたかも健全であるという世の風潮に対して、我輩は頑強に抗い続けたい。
我輩は肥満でも巨漢でも無い。我輩は女性と同じ様な小さな身体を擁している。しかしながら、この様な小男にとっても、並盛りというのは少ないと感じる。
我々男性諸氏たるものは、女性よりエネルギーの補給量が多い。そのため、食事する際においては通常の並盛りではもの足りん。我々は、外食では大盛りやら追加注文を店員に言いつけ、自宅での料理でもより多くの材料を必要とする。
要は男性はお金がかかるのである。
おそらくは、男として生まれた以上、一般的な女性よりも食費にお金を消費せねばならぬのだろう。
化粧と食事、大事なのは…
化粧をしない男性は、キレイになるために化粧代にお金を費やしている女性に対して、食事を奢ってやるべきだという、金銭のたかりを天才的な言い分で正当化する主張がむかし流行った。
化粧をする女性は美しい。だが、
我輩はその主張を聞いて、自分磨きを他者のお金で補填しようという考えに虫酸が走った。会社の経費で美容室の代金を支払うのと同程度の図々しさである。
我輩は男女間に奢るも奢られの関係もなく、ひとしく平等に割り勘をすることこそ、両者の敬意を表す最良の決済方法であると主張したい。1)圧倒的な収入格差がある場合は、男女の別関係なく、収入が高い人間が支払えば良い。男と女といった性差で区別するから問題になるのだ。奢る男は女を下に見ているし、奢られる女は男を上に見ている。これは平等ではない。
我輩は自分の反論は言い得て妙なると感じたが、間抜けでも理解出来るようなもっと簡単な理屈で、奢りを正当化する物乞い系女子を説伏せねばならんと思っていた。
ここで先ほど私が主張した「並盛り詐欺説」は良き援用となろう。
化粧代がかかる分、男性が女性に奢らねばならぬという主張が罷り通るなら、食事代がかかる分、女性が男性に奢らねばならぬという主張も罷り通るのではあるまいか。
化粧は、女性諸氏を綺麗に見せるための最良な手段であり、男性を喜ばせる肝要な作業である。このことは、我々はしっかり認めねばならん。化粧は女性が育てた文化であり、これを否定してはならん。
しかしながら、ながらしかしである。食事と化粧とを比したとき、食事はより生活の柱として日常に密接であって、よりお金を費やす必要が生じる。
化粧はしなくても死なないが、食事はしないと餓死をする。
そう考えると、現在、奢って当然であると目されている男性が、よもやすると、女性に奢られる時代が来るかもしれない。
近年は、女性の高学歴化および高年収化が進んでいる時代だ。
社会的地位低い系男子よ、立ち上がれ。「男性も女性に奢られたい」という主張を唱えるために、「Me too」のプラカードを掲げる時が来たようだ。2)「Me too(私も被害者です)」とは、女性差別やセクハラに対して、女性たちが男性を弾劾・告発する運動、またはその標語。世界各国で流行している。
注釈記号(例えば、1)、2)等)をクリックすると注釈に飛びます。注釈の矢印(↑)をクリックすると、注釈記号のある場所に戻ります。マジで便利すぎ。
References
1. | ↑ | 圧倒的な収入格差がある場合は、男女の別関係なく、収入が高い人間が支払えば良い。男と女といった性差で区別するから問題になるのだ。 |
2. | ↑ | 「Me too(私も被害者です)」とは、女性差別やセクハラに対して、女性たちが男性を弾劾・告発する運動、またはその標語。世界各国で流行している。 |